Razer Viper Ultimateをレビュー。本気で作り込んできたという、意気込みを感じられる良作になっていました。
Razerが黎明期を支えたワイヤレスゲーミングマウスも、すっかりLogitechの技術力に押され、最近ではすっかりシェアを取られていた状態でした。先日出したRazer Mamba Wirelessも鳴かず飛ばずとなってしまい、とりあえず長年の定番となるDeathAdderや他のデバイスをピカピカと光らせることで食いつないでいる印象。とはいえ最近のPCゲーミングもとい自作PCのトレンドがピカピカと光らせることなので、一定の人気は得ていたようです。
Logitech/LogicoolのG Proワイヤレスは80グラムという圧倒的な軽さ、信頼性の高い無線通信、トラッキン グ性能で、従来のバッテリーで重い、途切れるというワイヤレスマウスの概念を覆してくれました。ということで、Razerはどうするんだろうと思っていたのですが、渾身の製品が出てきたようなので、早速購入しチェックして行きます。
買ったのはRazer Viper Ultimate。先行して発売していたViperのワイヤレスバージョンということで無難な左右対称マウスとなります。
なんと驚くべくことにPRO G Wirelessよりも安くなっています。重さ調節機能がない、という点はありますが後述するドック付きでこれはかなり競争力の高い価格設定だと思います。梱包もそこそこですが、しっかりとした厚紙で作ってありますね。
いい佇まい。
Mamba Wirelessはどうしてこうなったって感じですね。値段は安いものの、急ごしらえで用意した感の否めない仕様でした。Mambaこそ、手を抜いてほしくなかったんですが…
表面に一連の機能が表示されています。5Gから変更となった新センサー、高速な通信形式などなど。個人的には重さについてもうちょっとアピールしてもいいんじゃないかなと思うのですが、ひっそりと書かれています。Chromaではないですが、ライティングもありますね。
Razerはフラップ式で箱をぱかりと開けるとことができます。
本体と、ドック。個人的にはデスクトップ使用のほうが多いのでドックに無線通信のアダプターを刺しておいてほしかったですが、まぁ細かいことです。
G PROもですが、esports推しですね。協賛チームとか書いて意味あるんですかね?とは思いますが、何も書かれていないよりは盛り上がるので良し。
裏面に本体説明が書かれています。いや〜ドックがあるのは大きいですよ。
今回の目玉となるHYPERSPEEDの無線通信テクノジー。正直25%早いと言われても、という気もしてしまいますが、とにかく早いらしい。正直なところMamba以降速度そのものは問題ないと思っているんですが、スキップしてしまったりといった品質の部分が気になっていたので、その点が速度改善で良くなるというのであれば、それはありがたいことです。実際遅い通信速度のせいでピクセルが飛んでいたとかありそうですが…果たして。
本体と付属品。余計なものの一切ないシンプルな内容ですね。とはいえ軽量化がトレンドのゲーミングマウスで、これ以上の付属品を付ける必要もなさそう。余計な所にお金を使うより本体をブラッシュアップに投資してくれるのはありがたいです。
サイドはほぼ全面ラバーで覆われています。細かくドットのパターンで彫り込まれているので、非常に滑りづらいです。ボタンの位置は可もなく不可もなくといった感じ。Razerは頑なにこの平たいボタン形状を採用していますが、個人的にはもう少し出ていてもいい気がします…
天面に向かってすぼまっていく形状となっています。サイドラバーとくぼみのおかげで滑り落ちるといったとこはないです。
Razer独特の指が収まる形状に湾曲したメインボタン。DeathAdder系列に比べると歪みのRが大きい気もしますが、左右対象なのでこんなもんですかね。クリック感と戻りはG PROと大差ないレベルまで来ている気がします。若干戻ってくるのが重いかな、といった印象を受けましたが微差です。
上から。一体成型のフレームではなく、左右メインボタン、手の平側で3パーツ構成になっています。全体的に手首側のスカートが広くなっている感じで、グリップ感、手の収まりに効いています。全体的な長さの印象としてはややG PROよりも短いという印象を受けましたが、スペック上の数値ではほぼほぼ差はないので、形状による差なのかなといったところ。
最後に底面を確認します。最近ソールを買わなくなったなぁ〜という気がしていますが、この真っ白なテフロンのソールはHyperGrideとかのツルツル系を思い出させてくれますね。ほんとによく滑ります。逆に言うとマイスパッドのみで感触を選べるのでそれはそれでありがたいことです。レシーバは本体裏に収納可能で、ドック用の接続端子もこちらにあります。
リフトオフディスタンスはG PROと同じかほんの気持ち長いです。これはマウスパッドとの相性もあると思うので、なんとも一律で評価しづらい部分ではありますが、同じArtisaの疾風乙の布パッド上で差を感じました。慣れれば問題ないレベルではあります。
Mambaと比較すると横幅がシュッとしている感じです。左右対象とIE3.0インスパイアの左右非対称で差が出てますね。右側にボタンが有る代わりにMambaのようなホイール下のDPIスイッチ2ボタンがありません。ラバーの素材は同じかと思いますが、パターニングが異なり、Viper Ultimateのほうが滑りにくいと感じました。
ボタン機構が異なるからか、プラスチックの素材も少し違うのでしょうか?全体的な剛性はViperのほうがあるように思います。
こうしてみると全体的な造りはG PROと似ていることがわかりますが、どちらかというとエグレを大きくとって握りやすさに重きをおいている印象を受けます。どの握り方でもOKです。
高さはG PROの方があります。個人的には高いほうが遊びが少なくて好きだったりします。Viperももう少し高くなるといいかと思いますが、そこまで気にならないです。
サイドの比較ですが、サイドボタンの位置が若干手前ですね。高さはそこまで変わらず。素材はラバーかサンドブラストか、という差があります。どちらも経年劣化はしてしまうので、個人的にはメーカーの好きにすればいいかと思っていますが、Viperのほうが持ちやすいと感じました。
Mambaとの比較。流石に全然違います。サイドボタンは大きいほうが好きなのでMambaの方がいいかな。
高さ。IE3.0インスパイアの右手用マウスなので、高さ、傾きがありますね。この高さくらいあると手にすっぽりハマってくれるので、遊びがない分安定してくれるイメージだったりはします。
上のメインボタンのところでも少し触れましたがやはり若干湾曲の程度が異なりますね。ホイールも肉抜きされて軽量化されています。メインボタンと本体の隙間も狭まっていて、クリックの遊びが少なくなるように工夫されています。Mambaは一体型のメインボタンなので、致し方ない部分もありそうですが…
G Proとの比較。G PROってメインボタンが微妙に凹んでいるので、指が滑らずに引っかかってくれて、それによってグリップ感が得られていました。この絶妙な塩梅が万人受けしていたのかなと思っています。Viper Ultimateも相当作り込んできたという印象ではありますが、細かな”エルゴノミクス感”というのはLogitechの方が上手くやっていると思います。また、Viperの方がメインボタンの幅が広いので、指が開くようになってしまう点は、手の小さい人等には注意の必要があると思います。
分かりづらいですが、肉抜きされたホイール。ノッチはDAやMambaのようなヌルヌル系から、クリック感が感じられるコリコリ系とっています。武器変更などで調節しやすいので、こちらのほうがいいでしょう。
Viper Ultimateが本気を出してきたな〜という印象を受けた一番の理由は74gという軽さです。G PROが80g〜81gだったということを考えると、1割前後の差がある事になります。
正直この差は大きいです。今回採用されたテフロンソールも相まって、非常に軽く感じます。80gも相当軽いと感じましたが、それを更に上回ってくるとは。
軽量化されているものの、バッテリーもより長く、ライティングも搭載。余計なドックとの接点も付属しているというのもポイントかと思います。
本当に軽くしようとすればもっとできることはある、という余力すら感じさられます。
Razer、本気で造り込んでますよ。
ワイヤレスレシーバーはLogitechと大差なし。
布巻きなのはありがたい点です。充電用にも使えますし、ドックとの接続にも使えるわけですが、柔らかいので非常に取り回しがしやすいです。
コストの問題かと思いますが、Type-Cではないのが少し手痛いところ。
やっぱりRazerのワイヤレスマウスといえばドックでしょう〜。マグネットでスッと接点まで誘導してくれるので、すっぽりと収まってくれます。ドックも光りますし、本当にありがたいことです。充電のたびにケーブルを引っ張ってくるのは面倒くさいですよね。
Synapseはそこそこ実用できるレベルにはなってきています。やたらと起動の邪魔をしたり、逆にスリープさせなくなったり。表面のキャリブレーションもでき、ソフトウェアとしてはこなれてきた感じはします。
詳しくは専門のレビューにお任せしますが、センサーのトラッキング・ワイヤレス周りもMamba Wirelessからは大幅に改善されていて、安定しているように感じました。かれこれ1ヶ月くらい使用していますが、ポインタが飛んだり、あまつさえ止まったりということもなく使えています。
フットプリントの小さいドックも使い勝手がよく、これなら本体と一緒に持ち運ぶことも考えられるサイズです。それでいてちゃんとライティングもついていて、"Razerらしさ"というのはきちんと感じられます。
機能と使い勝手を両立した良作です。G Pro一強となってしまっているハイエンドワイヤレスゲーミングマウスの牙城を崩せるのでしょうか?少なくとも私は乗り換えましたが…
Logitech/LogicoolのG Proワイヤレスは80グラムという圧倒的な軽さ、信頼性の高い無線通信、トラッキン グ性能で、従来のバッテリーで重い、途切れるというワイヤレスマウスの概念を覆してくれました。ということで、Razerはどうするんだろうと思っていたのですが、渾身の製品が出てきたようなので、早速購入しチェックして行きます。
買ったのはRazer Viper Ultimate。先行して発売していたViperのワイヤレスバージョンということで無難な左右対称マウスとなります。
Razer Viper Ultimate ゲーミングマウス 高速無線 軽量 74g Focus+センサー 20000DPI 光学スイッチ 8ボタン 充電スタンド付 Chroma【日本正規代理店保証品】 RZ01-03050100-R3A1
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Razer(レイザー) (2019-10-31)
売り上げランキング: 761
売り上げランキング: 761
なんと驚くべくことにPRO G Wirelessよりも安くなっています。重さ調節機能がない、という点はありますが後述するドック付きでこれはかなり競争力の高い価格設定だと思います。梱包もそこそこですが、しっかりとした厚紙で作ってありますね。
いい佇まい。
Mamba Wirelessはどうしてこうなったって感じですね。値段は安いものの、急ごしらえで用意した感の否めない仕様でした。Mambaこそ、手を抜いてほしくなかったんですが…
表面に一連の機能が表示されています。5Gから変更となった新センサー、高速な通信形式などなど。個人的には重さについてもうちょっとアピールしてもいいんじゃないかなと思うのですが、ひっそりと書かれています。Chromaではないですが、ライティングもありますね。
Razerはフラップ式で箱をぱかりと開けるとことができます。
本体と、ドック。個人的にはデスクトップ使用のほうが多いのでドックに無線通信のアダプターを刺しておいてほしかったですが、まぁ細かいことです。
G PROもですが、esports推しですね。協賛チームとか書いて意味あるんですかね?とは思いますが、何も書かれていないよりは盛り上がるので良し。
裏面に本体説明が書かれています。いや〜ドックがあるのは大きいですよ。
今回の目玉となるHYPERSPEEDの無線通信テクノジー。正直25%早いと言われても、という気もしてしまいますが、とにかく早いらしい。正直なところMamba以降速度そのものは問題ないと思っているんですが、スキップしてしまったりといった品質の部分が気になっていたので、その点が速度改善で良くなるというのであれば、それはありがたいことです。実際遅い通信速度のせいでピクセルが飛んでいたとかありそうですが…果たして。
本体と付属品。余計なものの一切ないシンプルな内容ですね。とはいえ軽量化がトレンドのゲーミングマウスで、これ以上の付属品を付ける必要もなさそう。余計な所にお金を使うより本体をブラッシュアップに投資してくれるのはありがたいです。
本体を眺めていく
サイドはほぼ全面ラバーで覆われています。細かくドットのパターンで彫り込まれているので、非常に滑りづらいです。ボタンの位置は可もなく不可もなくといった感じ。Razerは頑なにこの平たいボタン形状を採用していますが、個人的にはもう少し出ていてもいい気がします…
天面に向かってすぼまっていく形状となっています。サイドラバーとくぼみのおかげで滑り落ちるといったとこはないです。
Razer独特の指が収まる形状に湾曲したメインボタン。DeathAdder系列に比べると歪みのRが大きい気もしますが、左右対象なのでこんなもんですかね。クリック感と戻りはG PROと大差ないレベルまで来ている気がします。若干戻ってくるのが重いかな、といった印象を受けましたが微差です。
上から。一体成型のフレームではなく、左右メインボタン、手の平側で3パーツ構成になっています。全体的に手首側のスカートが広くなっている感じで、グリップ感、手の収まりに効いています。全体的な長さの印象としてはややG PROよりも短いという印象を受けましたが、スペック上の数値ではほぼほぼ差はないので、形状による差なのかなといったところ。
最後に底面を確認します。最近ソールを買わなくなったなぁ〜という気がしていますが、この真っ白なテフロンのソールはHyperGrideとかのツルツル系を思い出させてくれますね。ほんとによく滑ります。逆に言うとマイスパッドのみで感触を選べるのでそれはそれでありがたいことです。レシーバは本体裏に収納可能で、ドック用の接続端子もこちらにあります。
リフトオフディスタンスはG PROと同じかほんの気持ち長いです。これはマウスパッドとの相性もあると思うので、なんとも一律で評価しづらい部分ではありますが、同じArtisaの疾風乙の布パッド上で差を感じました。慣れれば問題ないレベルではあります。
比較してみる
Mambaと比較すると横幅がシュッとしている感じです。左右対象とIE3.0インスパイアの左右非対称で差が出てますね。右側にボタンが有る代わりにMambaのようなホイール下のDPIスイッチ2ボタンがありません。ラバーの素材は同じかと思いますが、パターニングが異なり、Viper Ultimateのほうが滑りにくいと感じました。
ボタン機構が異なるからか、プラスチックの素材も少し違うのでしょうか?全体的な剛性はViperのほうがあるように思います。
こうしてみると全体的な造りはG PROと似ていることがわかりますが、どちらかというとエグレを大きくとって握りやすさに重きをおいている印象を受けます。どの握り方でもOKです。
高さはG PROの方があります。個人的には高いほうが遊びが少なくて好きだったりします。Viperももう少し高くなるといいかと思いますが、そこまで気にならないです。
サイドの比較ですが、サイドボタンの位置が若干手前ですね。高さはそこまで変わらず。素材はラバーかサンドブラストか、という差があります。どちらも経年劣化はしてしまうので、個人的にはメーカーの好きにすればいいかと思っていますが、Viperのほうが持ちやすいと感じました。
Mambaとの比較。流石に全然違います。サイドボタンは大きいほうが好きなのでMambaの方がいいかな。
高さ。IE3.0インスパイアの右手用マウスなので、高さ、傾きがありますね。この高さくらいあると手にすっぽりハマってくれるので、遊びがない分安定してくれるイメージだったりはします。
上のメインボタンのところでも少し触れましたがやはり若干湾曲の程度が異なりますね。ホイールも肉抜きされて軽量化されています。メインボタンと本体の隙間も狭まっていて、クリックの遊びが少なくなるように工夫されています。Mambaは一体型のメインボタンなので、致し方ない部分もありそうですが…
G Proとの比較。G PROってメインボタンが微妙に凹んでいるので、指が滑らずに引っかかってくれて、それによってグリップ感が得られていました。この絶妙な塩梅が万人受けしていたのかなと思っています。Viper Ultimateも相当作り込んできたという印象ではありますが、細かな”エルゴノミクス感”というのはLogitechの方が上手くやっていると思います。また、Viperの方がメインボタンの幅が広いので、指が開くようになってしまう点は、手の小さい人等には注意の必要があると思います。
分かりづらいですが、肉抜きされたホイール。ノッチはDAやMambaのようなヌルヌル系から、クリック感が感じられるコリコリ系とっています。武器変更などで調節しやすいので、こちらのほうがいいでしょう。
異常な軽さ
Viper Ultimateが本気を出してきたな〜という印象を受けた一番の理由は74gという軽さです。G PROが80g〜81gだったということを考えると、1割前後の差がある事になります。
正直この差は大きいです。今回採用されたテフロンソールも相まって、非常に軽く感じます。80gも相当軽いと感じましたが、それを更に上回ってくるとは。
軽量化されているものの、バッテリーもより長く、ライティングも搭載。余計なドックとの接点も付属しているというのもポイントかと思います。
本当に軽くしようとすればもっとできることはある、という余力すら感じさられます。
Razer、本気で造り込んでますよ。
かゆいところに手が届く、やっぱりこれよね
ワイヤレスレシーバーはLogitechと大差なし。
布巻きなのはありがたい点です。充電用にも使えますし、ドックとの接続にも使えるわけですが、柔らかいので非常に取り回しがしやすいです。
コストの問題かと思いますが、Type-Cではないのが少し手痛いところ。
やっぱりRazerのワイヤレスマウスといえばドックでしょう〜。マグネットでスッと接点まで誘導してくれるので、すっぽりと収まってくれます。ドックも光りますし、本当にありがたいことです。充電のたびにケーブルを引っ張ってくるのは面倒くさいですよね。
久々にRazerから出てきた本気のマウス
Synapseはそこそこ実用できるレベルにはなってきています。やたらと起動の邪魔をしたり、逆にスリープさせなくなったり。表面のキャリブレーションもでき、ソフトウェアとしてはこなれてきた感じはします。
詳しくは専門のレビューにお任せしますが、センサーのトラッキング・ワイヤレス周りもMamba Wirelessからは大幅に改善されていて、安定しているように感じました。かれこれ1ヶ月くらい使用していますが、ポインタが飛んだり、あまつさえ止まったりということもなく使えています。
フットプリントの小さいドックも使い勝手がよく、これなら本体と一緒に持ち運ぶことも考えられるサイズです。それでいてちゃんとライティングもついていて、"Razerらしさ"というのはきちんと感じられます。
機能と使い勝手を両立した良作です。G Pro一強となってしまっているハイエンドワイヤレスゲーミングマウスの牙城を崩せるのでしょうか?少なくとも私は乗り換えましたが…