先代モデルから20g近い軽量化を成し遂げたLogicool G PRO X SUPERLIGHTをしばらく長期連用したのでレビューしていきます.基本的にいいことしかない,という結論で,ボタンと若干のバッテリーライフ意外に欠点を見いだせない至高のモデルだったという内容です.
ゲーミングデバイスの分野は信頼性の高さから長年有線が主流でしたが,そこに切り込んでいったのがLogicoolでした.昨今のブームの草分けとなるG900から最新のG PRO Wirelessで時代を作った感じあります.ただ,実際私も購入して長年使っていましたが,どれも数年前の発売であったことから,Razerなどもフォローしてきており少しだけ時代遅れ感が出てしまっていました.
異常な軽さを実現したPROワイヤレス ゲーミングマウス - ロジクールの新フラッグシップをレビュー
ということでリニューアルしたPRO ワイヤレス ゲーミングマウスもゲットしたので使用レビューしていきます.
今回入手したのはホワイトバージョンで,黒に比べて3ヶ月ほどリリースが遅れていたモデルとなります.
Logicool G(ロジクール G)
購入はAmazonにて.マウスに1万6千円というウルトラスーパープレミアム価格をペイするという点,理解し難い市場ではあります.ただ,バッテリー内臓ながら60g台という軽さ,エルゴノミクスを意識した形に起因する快適性を得るためと捉えれば納得の行く価格設定ではあると以前より考えています.
そんなこんなで言い訳は兎も角.相変わらずDTNやTSMなどスポンサーしている大手チームのチームロゴが入っています.
裏面はおしゃれな感じで印刷が入っています.今回の目玉はやはり80gから<63gになったことでしょう.PLAY TO WINからKEEP PLAYINGにスローガンが変わっていますね.
センサー性能も私が持っていたものからは新世代のHEROセンサーへと変更になっています.バッテリー寿命はライティングなしにしては健闘している方かな,といったところで体感でものすごく短いとは感じないです.むしろ快適性能に振っている分,トレードオフのポイントとしては受け入れられるレベル.
パッケージ正面から.シンプルで高級感のある雰囲気.先代から箱の造りは変わっていないので,SUPERLIGHTのロゴを認識しないと別製品を購入してしまうことになりかねないです.
パカリと蓋を取るとそのまま本体とご対面.デザインも本当に初代から変わっておらず,強いて言えばサイドボタンの変更機能がなくなり固定式になったことくらい.バッテリーインジケーターも若干簡略化されています.
付属品の収納ボックスは箱内にピッタリと収まっているわけですが,”箱の中にピッタリと収まっている小箱”というのは案外取り出しづらいものです.それをうまく回避するべくデザインされているのがG PRO系列の付属品箱.微妙に台形になっているのがわかると思います.
付属品類.どちらも初代から変更はなく,充電ケーブルも互換性を伴って刺さってくれるので,前のモデルを持っている人はこのあたりのセットアップは変更せずとも導入できます.
ということで上からの様子.今回サイドボタンが左側にのみ用意されているので,左右対称の形をしているものの右手専用マウスとなっています.余計なマグネットを内蔵したりなどして重くしてでも汎用性を高めるよりは軽量化を狙ったという事なのでしょう.
この左サイドボタンデザインにより基本的には右利き専用のマウスとなっています.サイドボタンの形などは先代から変わらず.大きくはないですが,押下するにあたって十分な出っ張りがあるので使用上気になることはありません.DAなどRazerとかで見られる大きめのボタンの系譜のマウスに慣れている人には少し小さく感じるかもしれません.
右側面.SUPERLIGHTのロゴと共に,光の加減でわかるレベルで適度なくぼみがあるのがわかるかと思います.このほのかな湾曲がグリップにかなり効いている印象で,このあたり前モデルと少し変えているような印象も受けます(同じかもしれませんが...).
ホイールは樹脂製で徹底的に肉抜きされています.若干デザインの違いがあります.ホイールのリテンションのためのスポークもかなり数が少なく,ちゃんと回ってくれるのか不安になりますが,数ヶ月使っている中でカタついたり変形したりなどは一切ないので,作りの良さを感じることができます.
フロントの様子はほぼ変わらず.特殊形状の充電ケーブルも同じデザインで,共用することができます.
この部分のUSBアダプタ収納は定番ですね.当然ですが,G PROとPRO Xでワイヤレスアダプターは異なるので,Logicoolの別製品にあるようなunifyingアダプタの感覚で使うことはできません.専用通信で安定している分USBポートは多めに確保しておく必要が出てきそうです.
ソールは大きめのものが覆っています.センサー周りにソールを巻いて光漏れを少しでも低減させながら,センサー精度を向上させようという試みはどこが始めたものだったか...忘れましたが配置は前モデルを踏襲しています.大きいので引っかかるなどは一切なく,滑りはいいほうだと思います.ゴリゴリにテフロンのタッチではなく,軽量であるが故に滑りすぎてしまうということもないように工夫された滑り心地に感じます(ARTIZAN 疾風にて確認).
ライティングは最低限です.充電のインジケーターがメインボタンの手前にポツッと開いているだけです.ロゴはシルバーで加飾されていますが,それだけ.とはいえ逆に光らないが故にゲーミングマウスの中でも品のある佇まいで,落ち着いた雰囲気です.
感度やキャリブレーションなどの一連の設定はLogicool G HUBより.プロファイルなどにも対応していますが,軽量化のため必要最低限の5ボタン構成につき,無理にカスタマイズせずとも使えると思います.
実際に使ってみる
かれこれ購入してから半年くらい使ってみました.
結局の所先代モデルを含めて3年くらいずっと使ってきましたが,左右ほぼ対称のマウスなら最高のモデルになったのではないかと思います.63gというイカれた軽量化をしながら,他のメーカーのように痛々しいハニカム構造の肉抜きなどをしているわけでもなく,デザインと実用性を両立しているのは長年のLogicoolのデバイスメーカーとしての意地のようなものすら感じます.
高いセンサー性能と通信安定性を含めると,ゲーミング以外の分野でも長年の知見と実績のあるLogitechだからこそなし得た,軽量ゲーミングマウスの至高のモデル.マウスパッドでもそうでなくても同じ品質で使用できるのは凄いことだと思います.このイカれた軽さの中でもバッテリーライフは十分に長いので,ストレスなくゲームプレイに集中できます.
Logitechがスポンサーしているプロチームも多いと思いますが,彼らとコラボレーションしたマウスはエルゴノミクス的にも長時間使用に最適で,意外にもテレワークされている方にもフィットしているマウスかと思います(もちろん一般的なデスクワークにはもうちょっと他ボタンのモデルをおすすめしたいですが...).やや高額ではありますが,とりあえず数多あるゲーミングマウスであれこれ悩みたくない,という人にはおよそ対応できる万能さを備えているのでオススメです.