MLBAMのBAMTechとの提携を決定したRiot.それぞれの役割と機能をチャックしつつ,今後起こりうることを考えてみることにします.拡大するeSportsシーンを担うLoLだけに注目の集まる市場ですから,その動きに注意を払う必要がありそうです.
リーグ運営について問題が浮き彫りとなってきたLoLのeSports,プロシーンですがようやく動き出すようです.Riot GamesはMLBAMの子会社BAMTechとパートナーシップを締結し,2023年までに最低で3億ドル(約354億円)の投資を受ける事が決定しました.それに伴い,BAMTechに対してeSportsシーンの運営,そしてマネタイズについて協力していくこととなりました.
本当はもっと支払いたいところだが,今回の額で合意したとのこと.Minimum Guaranteeとすることで,より多くの額を支払う準備ができていることを示しています.一方で最初期は利益も少ないと見込まれることから必ずしも毎年5000万ドル,というわけでもないかなとは考えられますがどういった支払いがなされていくのかはまだ分かりません.
またパートナーシップとしてRiot,ひいてはLoLのeSportsシーンを選択した理由として,それらがDigital-firstであるため,としています.これまでのスポーツはまずTVで放送がなされ,それからインターネットのストリーミング放送へと移行していきました.そんな中で彼らはMLBで15年間ストリーミングをすることで培ったノウハウを持っていることから,シェア拡大を狙うRiotと利害が一致した形になったとのこと.
スポンサーや広告主のビジネス参入のチャンスを拡大するためにエコシステムの整備というのは必要なため,今こそeSportsの市場を拡大する時期であるとしています.そしてそのための投資でもあるとのこと.
BAMTechの親会社であるMLBといえば野球,野球といえば北米の国技ともいえる訳ですがLoLは世界中で遊ばれています.これについてどう考えているのか,NAだけに限った話なのかという点について次のように回答しています.
会話中ではLCKが話題となっていますが,それぞれの地域に合わせた形を模索していくとのことで,必ずしも現在の北米MLBでとられているような形で全地域配信するとは限らないとのこと.韓国LCKについてはeSportsの捉えられ方が近いことからも,MLBに近い形を取れるのではないかと考えているそうですが,そちらもRiot Koreaのチームが動いて調査している段階ではっきりとした形は決まっていない様子です.
Bowman氏も同様に発言し,2017年中は調査及び環境整備に当てる期間になるだろうとしており,明確な方向性というのはまだ検討中であると述べています.
BAMTechが一体何をする会社なのかという点についてよく分からないので,見てみることにします.MLBでの事業というのをインタビュー序盤で冗談交じりに紹介さていたMLB.comないしはMLB.TVから確認できます.
確認してみると,彼らはMLBの試合をデジタルデバイスへとストリーミングするサービスを提供しています.オンラインストリーミングの環境だけでなく,そのためのプラットフォームとなるアプリケーション開発まで一貫して行っていることから,Youtubeといった他のストリーミングサービスとはバッティングしないようになっているようです.彼らはコンテンツを作っているわけではないのがキモでしょうか.
そして,同様の事業をLoLでもやるのか?という質問に対しては,メディアとなるアプリケーションを作らないのなら今回の連携はありえないとまで発言しており,どのような形であれ「App」の提供はされるようです.
ファンを含めて利用するすべての人が毎日触りたくなるようなアプリケーションになることを目指すそうですが,基本的な部分というのはMLBとそう変わらないのではないかなという気はします.一方で気になる点として,先程も述べられていましたがもともと"Digital-First"なLoLのeSportsシーンにおいて,YoutubeやTwitchといった既存のデジタルストリーミングサービスとどう差別化を図っていくのかというのは気になるところです.
MLB.TVを見てみれば分かりますが,基本的に観戦,コンテンツ利用は購読形式で課金されます.よってBAMTechが技術供与して現在MLB.TVなどで提供されているコンテンツは基本的に有料です.しかしeSportsでは(少なくとも現在は)Youtube,Twitchで視聴するにあたって料金が発生することはありません(広告は出ますが).ということでLoLもそうなっていくのかというのは視聴者からすれば最大の懸念になりうる訳です.この点についても触れられています.
現在様々な場所で体験できる"Core eSports Experience"というものは今後も無料で楽しめるようにすると述べています.YoutubeやTwitchについても変わらずとのことです.一方でマネタイズの一環として短期,中期,長期と様々な戦略が同時に実行されていくことになり,その中でどういった形であれBAMTechのインフラを利用しコンテンツの拡充を図っていくことは当然行っていくそうです.そしてそれらが課金を促す,購読を促すようなものになるとのこと.
そのコンテンツがどういったものとなるのかというのは具体的には決まっていないそうですが,ユーザーに喜んでもらえるようなものにすることは約束できるとしています.
そしてYoutubeを始めとした動画サービスにおいて視聴できる試合動画や,ユーザー発信の動画などのVODはこれからのコンテンツサービスと重複してしまうがどうするつもりなのか,という点にも触れていますが,こちらも一切変えるつもりはないとのことです.今回の連携によってRiotの管理下で全てのコンテンツが生まれるようになることはなく,従来通りに自由に作品を作っていけるとしています.とはいえBAMTechのノウハウを利用して設計したアプリケーションを通じてRiotは新しいメディアプラットフォームを手に入れることが出来ます.よって今後はそこから今までにはない魅力的なコンテンツを配信されていくことになりそうです.
そして動画後半でチームやユーザーがオリジナルコンテンツを配信できるようにする可能性もあるとのことで,そちらから収入を得られるようになっていくかもしれないそうです.映像,グッズの販売場所として人の集まるところを使うことができるようになるのはチームとしては大きいのではないでしょうか.
そしてユーザーと共に戦々恐々とするのは勿論チームオーナーです.今回の連携によって2023年までに3億ドルという巨額の投資がプロシーンに行われることになったことになります.そしてこれから付いていくであろうスポンサーなどからも多額の投資が行われるとすれば,それはどこにいくことになるのか気になってきます.
Bradmore氏が述べるところによれば,2017年は過渡期であることからまだrev-shareについては考えていないとのことですが,続く2018年シーズン以降この巨額のパイをチーム,プレイヤーと分け合うのか?という自問には“Absolutely”と答えており,収益の分配というのはきちんとなされていくようです.2017年中にもそういった要望があれば前向きに検討はしていきたいとのことですが,今回の連携の目的というのは“リーグを作ること”そしてそのための“環境を整備すること”にあるとしており,お金の話というのはまだ決め兼ねている様子.
この2017年が過渡期,“Bridge-year”であるということは以前紹介したRiotとチームオーナーとのやり取りでも触れられていたことで,この点についてはある程度オーナーとの話し合いがあるのではないかなと察することができそうです.rev-shareが2018年以降にはなされるだろうということですが,過渡期として最も苦しくなりそうな2017年のチーム運営にRiotがある程度の資金を提供して双方納得してくれていることを祈りたいところです.
Riotの公式発表によれば今年のWCS2016は4300万人が視聴したとのことです.
これだけの文化を放って置かれることもなく,最近では海外だけでなく国内でもサッカーチームがeSports部門を設立したりと,TraditionalなスポーツチームがeSportsに参入している例というのは少なくなくなってきました.よって今回の連携によってMLBチームがオーナーになる可能性があるのか,という話題も出ています.誰が参入するのかというのは分からないものの,その可能性は十分にあり,そういった間口を作るのも今回の連携の目的であるとしています.
最後に変革の時期についての話題となっています.
2018年に全く新しい体制となることは間違い無いとしていますが,いつどの時期に何を公表するのかという点はまだ何も公開できないとしています.明言できないことが多くなってしまうものの,色々な計画が進行中で,多大な労力がかけられており,期待して欲しいとのこと.
そして最後に今回の連携が視聴者に与える影響,市場の変化についてです.この点についてこれまでインタビューしてきたTravis氏が述べています.
This is some thing that overtime Riot will develop with BAMTech a really great product for fans. For instance that will probably be streamed in the client, that's something that they alluded to is long-term thay want to put it there. They alluded subscription services that adds extra value.
今回の連携によって購読形式のサービスが提供されること,そしてそこに無料ユーザーとは異なる特別な価値が付与されるのは間違いないだろうとしています.
Over time I think what is going to end up happening is, the solution that they're building a product that they're building with BAMTech is going to get really good. So right now you might say okay maybe I want to watch on twitch, maybe I want to watch on youtube, maybe I want to watch on client. But certain point of time it's going to be so good because they're keep adding technology, they're going to build up an app apparently, this is what said in an interview.
BAMTechが持つ技術力,そしてゲーム開発会社としてのRiotが連携してコンテンツを配信するとなるとその付加価値というのは非常に高いものになるだろうとしています.HDストリームは無料で楽しめると発言しているものの,それ以外についてはほとんど触れられていません.試合を観戦するというだけであればTwitchやYoutubeで済むと考えるユーザーも多いかもしれません.しかし例えばBAMTechが作ったアプリケーションを通じ,購読ユーザーが特別なインターフェースを利用できる,ソーシャルコミュニティでプライオリティを発揮できる,ゲーム内でのIP,スキンアンロックがつく,といった特典があるとすれば,状況は変わってくるだろうと考えているそうです.2018年以降登場するであろうBAMTech開発のRiot謹製観戦アプリの機能,特典の拡充に伴って徐々にTwitchやYoutubeから人が離れていくのではないかと推測しています.現状ではeSportsシーンにおけるTwitchのシェアというのは非常に高いですが,将来的には専用アプリの方が利用されるだろうとしています.
BAMTechはデジタルメディアソリューションを多数開発しており,MLBだけでなくNHLやHBO等とも連携しています.それだけのインフラ開発の経験を活かすことができれば,そしてRiotからの特典コンテンツの供与があれば十分にTwitchの支配から解放されうるとのことで,そうなれば購読者からの料金で利益を上げることも可能となる訳です.実際のところ視聴者がどう動くのかという点はまだまだ分からないものの,可能性は高そうではあります.
ゲームを遊ぶ身からすると今後7年2023年のLoLがどういう形になっているのか,そもそも何チャンピオン居るのかという事すら想像がつきません(250くらいにはなってるのかな?).またMapについてもCSのDustと同じレベル更新なくSummoner's Riftで競技され続けるのか,それとも新MAPを追加するのか,競技性を高めたARAMを設計するのかという点も気になるところです.チームオーナーが苦言を呈しているゲームパッチと合わせて,更新と競技性をどう維持していくのかこちらも論点となりそうです.
そしてやはり気になるのはメインターゲットとなる若者はどのくらいSubscribe - 購読するのだろうかという点で,これまでの環境であるTwitchやYoutubeからどのくらい“引き離せる”かという事と同義です.そのために提供されるコンテンツというのがどういったものになるのかというのも楽しみですが,本当に現在楽しめる“core experience”が変わることは無いのかというのはまだ分からないですから,少し怖いところではあります.一方既にプラットフォームとして安定しているTwitch陣営,Amazonも独自のeSportsリーグはありますからこのまま不用意に視聴者を失っていくとも思えませんが,他にも沢山のリーグがありライバルは多いということを考えると,リーグ設立に当たってデベロッパーと組めるという点が如何に強いのか分かると思います.正にTravis氏が指摘していた部分です.
バブルとも言われるeSportsの市場が弾けるのか,ゆっくりと萎んでいくのか,それとも膨らみ続けていくのかは分かりませんが,その大事な分岐点になった連携なのは間違いなさそうです.
既にホッケーや野球に肉薄する勢いで人気となったeSportsですが,これからの時代を担う若者のスポーツとしてeSportsがどのくらい認知され,形作られていくのか面白くなってきました.そして日本ではどういった形でコンテンツが提供されていくのかも気になるところですね.
それにしてもRosterに人気選手の獲得が目立ったPhoenix1ですが,オーナーは元Disney役員...そしてBAMTechの株式の1/3はDisney...気になる...
Today we’re thrilled to announce Riot Games and BAMTech have entered into a first-of-its-kind long-term commercialization partnership to deliver professional League of Legends esports content in regions around the world. We will be working closely with BAMTech to grow revenue in our sport through various means, including sponsorship and advertising.
from LoL eSports
BAMTechはもともとはMLBAM(MLBのメディア部門)の子会社でしたが,10億ドル投資することでディズニーもその株式の1/3を所有しています.ディズニーはESPNを持っていますので,テレビとストリーミングの両方からアプローチする事ができます.何れにしてもBAMTechはTraditionalなスポーツのストリーミングに関して経験が有り,その母体の認知も高いということから連携に踏み切ったのではないかなと考えられます.
今回の発表に合わせてYahoo! eSportsのTravis氏がRiot eSportsディレクターであるJarred "Bradmore" Kennedy氏とWhalen "Magus" Rozelle氏,そしてBAMTechのビジネス・メディア部門トップのBob Bowman氏にインタビューをしているので確認してみます.
$300,000,000 at the minimum
まず触れられているのがその額です.毎年最低5000万ドル,約60億円が平均で支払われるとしており,2023年までに3億ドルとのことですから,BAMTechにも相当な投資になっていることは間違いないはずです.この額についてBowman氏が説明しています.
Travis:Bob it's been reported that this is a $50M a year on average minimum guaranteed deal stretching all the way through the 2023 season. I think a lot of people are going to definitely raised eyebrows when they hear that number. You know, Why in your mind is valued at that number?
Bob:Well, I think I hope we're going to do a lot more than that. That's the minimum guarantee and I hope we're going to exceed that by a large margin and I expect that we will. But the reason why that I think this is so valuable is this is a digital-first property, all the other things that we've talked about, all the other sports have been TV first and have come to digital. A baseball has been doing it for 15 years and so we're pretty far down the road.
本当はもっと支払いたいところだが,今回の額で合意したとのこと.Minimum Guaranteeとすることで,より多くの額を支払う準備ができていることを示しています.一方で最初期は利益も少ないと見込まれることから必ずしも毎年5000万ドル,というわけでもないかなとは考えられますがどういった支払いがなされていくのかはまだ分かりません.
またパートナーシップとしてRiot,ひいてはLoLのeSportsシーンを選択した理由として,それらがDigital-firstであるため,としています.これまでのスポーツはまずTVで放送がなされ,それからインターネットのストリーミング放送へと移行していきました.そんな中で彼らはMLBで15年間ストリーミングをすることで培ったノウハウを持っていることから,シェア拡大を狙うRiotと利害が一致した形になったとのこと.
Bob:So the monetization for that effort and those kind of events is going to be really exciting. But we think the world is ready for esports. The sponsors, the advertisers are ready for it. They’re dying for it. It’s a great audience and they spend a great deal of time with this content.
スポンサーや広告主のビジネス参入のチャンスを拡大するためにエコシステムの整備というのは必要なため,今こそeSportsの市場を拡大する時期であるとしています.そしてそのための投資でもあるとのこと.
地域について
BAMTechの親会社であるMLBといえば野球,野球といえば北米の国技ともいえる訳ですがLoLは世界中で遊ばれています.これについてどう考えているのか,NAだけに限った話なのかという点について次のように回答しています.
Bradmore:The goal this time for this to be essntially a global deal. But we didn't want to say that we can turn it overnight because we need to be cognizant of what fans want in the regions.
Magus:Each market being unique.
Bradmore:Yeah, each market has their own particular dynamic their own particular collection of distribution platforms. And we want to figure out the right way to work within those ecosystems.
会話中ではLCKが話題となっていますが,それぞれの地域に合わせた形を模索していくとのことで,必ずしも現在の北米MLBでとられているような形で全地域配信するとは限らないとのこと.韓国LCKについてはeSportsの捉えられ方が近いことからも,MLBに近い形を取れるのではないかと考えているそうですが,そちらもRiot Koreaのチームが動いて調査している段階ではっきりとした形は決まっていない様子です.
Bowman氏も同様に発言し,2017年中は調査及び環境整備に当てる期間になるだろうとしており,明確な方向性というのはまだ検討中であると述べています.
BAMTechがもたらすもの
BAMTechが一体何をする会社なのかという点についてよく分からないので,見てみることにします.MLBでの事業というのをインタビュー序盤で冗談交じりに紹介さていたMLB.comないしはMLB.TVから確認できます.
確認してみると,彼らはMLBの試合をデジタルデバイスへとストリーミングするサービスを提供しています.オンラインストリーミングの環境だけでなく,そのためのプラットフォームとなるアプリケーション開発まで一貫して行っていることから,Youtubeといった他のストリーミングサービスとはバッティングしないようになっているようです.彼らはコンテンツを作っているわけではないのがキモでしょうか.
Travis:Are there any plans for BAMTech to develop like a mobile app or something similar to what we've seen from other contents that you've worked with?
Bob:Yeah, we wouldn't be here if there weren't app involved. It's increasing the way people like to access content, particularly the content of this nature, particularly sports. Again, forget the "e" for a moment this is a world-class sport in a world, global sport, too.
そして,同様の事業をLoLでもやるのか?という質問に対しては,メディアとなるアプリケーションを作らないのなら今回の連携はありえないとまで発言しており,どのような形であれ「App」の提供はされるようです.
Bob:We're gonna launch this app, again, on a stage bases country region by region, that's our hope. And player we can create an app based on the input from the fans, the customers, the teams and executives to build something that everyone loves and needs to use everyday.
ファンを含めて利用するすべての人が毎日触りたくなるようなアプリケーションになることを目指すそうですが,基本的な部分というのはMLBとそう変わらないのではないかなという気はします.一方で気になる点として,先程も述べられていましたがもともと"Digital-First"なLoLのeSportsシーンにおいて,YoutubeやTwitchといった既存のデジタルストリーミングサービスとどう差別化を図っていくのかというのは気になるところです.
今後有料化するのか
MLB.TVを見てみれば分かりますが,基本的に観戦,コンテンツ利用は購読形式で課金されます.よってBAMTechが技術供与して現在MLB.TVなどで提供されているコンテンツは基本的に有料です.しかしeSportsでは(少なくとも現在は)Youtube,Twitchで視聴するにあたって料金が発生することはありません(広告は出ますが).ということでLoLもそうなっていくのかというのは視聴者からすれば最大の懸念になりうる訳です.この点についても触れられています.
Travis:So you mentioned that the fan viewing experience shoudn't change that much, or sorry it maybe even at all outside of the out of technology and service experience that you're developing with BAMTech. Does that mean for sure all the stuff that everybody enjoys right now unrestricted, HD streams and all that kind of stuff will continue on for the first table future?
Bradmore:That the core of who we are and we believe very strongly that the current experience with the HD streams and sort of the core eSport experience remains as accessible as possible free without pay-wall. That's not to say that we won't innovate down the road and maybe there is something supercool that we create that has to be behind like a premier exoerience that fans want to buy into it. Because we don't know what the future holds, 3, 4, 5, 6, 7 years down the road, but this core experience like what you guys, eSports fans enjow today, can and will remain free.
現在様々な場所で体験できる"Core eSports Experience"というものは今後も無料で楽しめるようにすると述べています.YoutubeやTwitchについても変わらずとのことです.一方でマネタイズの一環として短期,中期,長期と様々な戦略が同時に実行されていくことになり,その中でどういった形であれBAMTechのインフラを利用しコンテンツの拡充を図っていくことは当然行っていくそうです.そしてそれらが課金を促す,購読を促すようなものになるとのこと.
Digital Reward?
そのコンテンツがどういったものとなるのかというのは具体的には決まっていないそうですが,ユーザーに喜んでもらえるようなものにすることは約束できるとしています.
そしてYoutubeを始めとした動画サービスにおいて視聴できる試合動画や,ユーザー発信の動画などのVODはこれからのコンテンツサービスと重複してしまうがどうするつもりなのか,という点にも触れていますが,こちらも一切変えるつもりはないとのことです.今回の連携によってRiotの管理下で全てのコンテンツが生まれるようになることはなく,従来通りに自由に作品を作っていけるとしています.とはいえBAMTechのノウハウを利用して設計したアプリケーションを通じてRiotは新しいメディアプラットフォームを手に入れることが出来ます.よって今後はそこから今までにはない魅力的なコンテンツを配信されていくことになりそうです.
そして動画後半でチームやユーザーがオリジナルコンテンツを配信できるようにする可能性もあるとのことで,そちらから収入を得られるようになっていくかもしれないそうです.映像,グッズの販売場所として人の集まるところを使うことができるようになるのはチームとしては大きいのではないでしょうか.
パイは誰のもの
そしてユーザーと共に戦々恐々とするのは勿論チームオーナーです.今回の連携によって2023年までに3億ドルという巨額の投資がプロシーンに行われることになったことになります.そしてこれから付いていくであろうスポンサーなどからも多額の投資が行われるとすれば,それはどこにいくことになるのか気になってきます.
Travis:Is there any plans to rev-share this in especially staring on the 2017 season?
Bradmore:So couple of things. One is we don't anticipate the real economic value of this deal to start hitting in materially until 2018. We've got no product annouce, we're way out in front of this. Because of the fact that we wanted to come out and get this in front of the misinformation that was out there earlier. Do we intend to rev-share? Absolutely.
Bradmore:Primarily it's gonna be, we're making up with creating a bigger pie and that we've already committed to providing that pie up with teams and pros.
Bradmore氏が述べるところによれば,2017年は過渡期であることからまだrev-shareについては考えていないとのことですが,続く2018年シーズン以降この巨額のパイをチーム,プレイヤーと分け合うのか?という自問には“Absolutely”と答えており,収益の分配というのはきちんとなされていくようです.2017年中にもそういった要望があれば前向きに検討はしていきたいとのことですが,今回の連携の目的というのは“リーグを作ること”そしてそのための“環境を整備すること”にあるとしており,お金の話というのはまだ決め兼ねている様子.
この2017年が過渡期,“Bridge-year”であるということは以前紹介したRiotとチームオーナーとのやり取りでも触れられていたことで,この点についてはある程度オーナーとの話し合いがあるのではないかなと察することができそうです.rev-shareが2018年以降にはなされるだろうということですが,過渡期として最も苦しくなりそうな2017年のチーム運営にRiotがある程度の資金を提供して双方納得してくれていることを祈りたいところです.
4300万人が視聴するゲーム
Riotの公式発表によれば今年のWCS2016は4300万人が視聴したとのことです.
from LoL eSports
これだけの文化を放って置かれることもなく,最近では海外だけでなく国内でもサッカーチームがeSports部門を設立したりと,TraditionalなスポーツチームがeSportsに参入している例というのは少なくなくなってきました.よって今回の連携によってMLBチームがオーナーになる可能性があるのか,という話題も出ています.誰が参入するのかというのは分からないものの,その可能性は十分にあり,そういった間口を作るのも今回の連携の目的であるとしています.
変化の時
最後に変革の時期についての話題となっています.
Travis:Can you provide any insight on when we should expect to see anything come out of this, I know you're saying a lot of this will start hitting around 2018, but should we start see new streams pop up in the first half of next year or at the start of the season or anything like that?
Magus:Definitely not the start of the season.
2018年に全く新しい体制となることは間違い無いとしていますが,いつどの時期に何を公表するのかという点はまだ何も公開できないとしています.明言できないことが多くなってしまうものの,色々な計画が進行中で,多大な労力がかけられており,期待して欲しいとのこと.
今後何が変わるのか
そして最後に今回の連携が視聴者に与える影響,市場の変化についてです.この点についてこれまでインタビューしてきたTravis氏が述べています.
This is some thing that overtime Riot will develop with BAMTech a really great product for fans. For instance that will probably be streamed in the client, that's something that they alluded to is long-term thay want to put it there. They alluded subscription services that adds extra value.
今回の連携によって購読形式のサービスが提供されること,そしてそこに無料ユーザーとは異なる特別な価値が付与されるのは間違いないだろうとしています.
Over time I think what is going to end up happening is, the solution that they're building a product that they're building with BAMTech is going to get really good. So right now you might say okay maybe I want to watch on twitch, maybe I want to watch on youtube, maybe I want to watch on client. But certain point of time it's going to be so good because they're keep adding technology, they're going to build up an app apparently, this is what said in an interview.
BAMTechが持つ技術力,そしてゲーム開発会社としてのRiotが連携してコンテンツを配信するとなるとその付加価値というのは非常に高いものになるだろうとしています.HDストリームは無料で楽しめると発言しているものの,それ以外についてはほとんど触れられていません.試合を観戦するというだけであればTwitchやYoutubeで済むと考えるユーザーも多いかもしれません.しかし例えばBAMTechが作ったアプリケーションを通じ,購読ユーザーが特別なインターフェースを利用できる,ソーシャルコミュニティでプライオリティを発揮できる,ゲーム内でのIP,スキンアンロックがつく,といった特典があるとすれば,状況は変わってくるだろうと考えているそうです.2018年以降登場するであろうBAMTech開発のRiot謹製観戦アプリの機能,特典の拡充に伴って徐々にTwitchやYoutubeから人が離れていくのではないかと推測しています.現状ではeSportsシーンにおけるTwitchのシェアというのは非常に高いですが,将来的には専用アプリの方が利用されるだろうとしています.
BAMTechはデジタルメディアソリューションを多数開発しており,MLBだけでなくNHLやHBO等とも連携しています.それだけのインフラ開発の経験を活かすことができれば,そしてRiotからの特典コンテンツの供与があれば十分にTwitchの支配から解放されうるとのことで,そうなれば購読者からの料金で利益を上げることも可能となる訳です.実際のところ視聴者がどう動くのかという点はまだまだ分からないものの,可能性は高そうではあります.
どうなる,eSports
ゲームを遊ぶ身からすると今後7年2023年のLoLがどういう形になっているのか,そもそも何チャンピオン居るのかという事すら想像がつきません(250くらいにはなってるのかな?).またMapについてもCSのDustと同じレベル更新なくSummoner's Riftで競技され続けるのか,それとも新MAPを追加するのか,競技性を高めたARAMを設計するのかという点も気になるところです.チームオーナーが苦言を呈しているゲームパッチと合わせて,更新と競技性をどう維持していくのかこちらも論点となりそうです.
そしてやはり気になるのはメインターゲットとなる若者はどのくらいSubscribe - 購読するのだろうかという点で,これまでの環境であるTwitchやYoutubeからどのくらい“引き離せる”かという事と同義です.そのために提供されるコンテンツというのがどういったものになるのかというのも楽しみですが,本当に現在楽しめる“core experience”が変わることは無いのかというのはまだ分からないですから,少し怖いところではあります.一方既にプラットフォームとして安定しているTwitch陣営,Amazonも独自のeSportsリーグはありますからこのまま不用意に視聴者を失っていくとも思えませんが,他にも沢山のリーグがありライバルは多いということを考えると,リーグ設立に当たってデベロッパーと組めるという点が如何に強いのか分かると思います.正にTravis氏が指摘していた部分です.
バブルとも言われるeSportsの市場が弾けるのか,ゆっくりと萎んでいくのか,それとも膨らみ続けていくのかは分かりませんが,その大事な分岐点になった連携なのは間違いなさそうです.
from NEWZOO
既にホッケーや野球に肉薄する勢いで人気となったeSportsですが,これからの時代を担う若者のスポーツとしてeSportsがどのくらい認知され,形作られていくのか面白くなってきました.そして日本ではどういった形でコンテンツが提供されていくのかも気になるところですね.
それにしてもRosterに人気選手の獲得が目立ったPhoenix1ですが,オーナーは元Disney役員...そしてBAMTechの株式の1/3はDisney...気になる...