FF14の追加コンテンツ、DLC第三弾となる漆黒のヴィランズ。発売から好評で、メタスコアも堂々の90点超えでした。遊んだらすっかりハマったので、感想を残しておきます。
漆黒のヴィランズが神ゲーすぎたのでその興奮を少しだけ残しておきます。後発組の話なので、各所で語られ尽くしてる内容と被る部分も多いと思いますが、悪しからず。
ブログ更新そっちのけで遊んでいたわけではないですヨ、ええ。
かれこれ6年目となったFF14。
2009年に発表になって、2010年にβ、大コケして新生したのが13年でした。
そこから蒼天のイシュガルド、紅蓮のリベレーター、そして最新作の漆黒のヴィランズが追加コンテンツとして発売されています。
ということで、遊んだ感想を盛大なネタバレとともに少しだけ思い出を書いておきます。
”ああ、またいつもの帝国とのバトルモノね!”
という感じで、序盤はテンションが上がらず。毒ガス兵器・黒薔薇も確かにヤバそうな雰囲気はありましたが、あっさり異世界に飛ばされ、世界を救う話になるとは。
それまでPVやLaunch Trailerでチラチラとお目にかかっていたクリスタルタワー風の街に到着するも間もなく、水晶公なる人間から各地を見てきて欲しいと言われ、ここから仲間探しの旅が始まる感じになります。この展開がまた王道のファンタジーRPG、ヒーローものっぽくていいのです。
まず探しに出かけるのはアルフィノとアリゼーな訳ですが、私は最後まで一緒にいたアリゼーにまず会いに行くことに。この世界の暗さ、闇の深さがわかる展開になっています。そしてアリゼーもアリゼーで己を鍛えて成長をし、この事実を受けれプレイヤーパーティーに仲間入りする訳です。
ユールモアとその城下町も格差を描きながら、それを治めるヴァウスリーという存在を上手く表現していました。明らかにヤバい街、というのがすぐに伝わってきて、その町民がなにやら怪しい食料を口にしているという点も気になってくるわけです。スペース・ケーキを彷彿とさせる怪しさがあり、一体どうなるのだろうと気になるところでアルフィノも旅路に加わります。
ウリエンジェが妖精さんと連携していると聞き、そのギャップに笑ってしまいましたが彼には彼なりの変化があって、第一世界、そして原初世界を助けようという覚悟が見える訳です。また、水晶公から真実を聞いている唯一の存在でもあります。要所要所で冒険者に助け舟を出し、そして支えとなる姿にこれまでとは違う、怪しい占い師だけでない魅力が加わっています。特に終盤にかけて強く感情を出している姿というのは、ムーンブリダとの出会い、別れの辺り以来で非常に新鮮で、心揺さぶられるものがあります。
サンクレッド、そしてミンフィリアは深い絆があり、冒険者にとっても貴重なレガシーキャラということもあり、思い入れが深いことになります。彼らの描かれ方も非常に面白かったですね。サンクレッドはユールモアの将軍ランジートとバトルする訳です。彼もまた守るべき国がある、サンクレッドもミンフィリアを守りたい、という信念の戦い。熱いじゃないですか。
終盤で少女はリーンとしてミンフィリアと別れる訳ですが、それをどう打ち明けるべきか葛藤するシーンが生々しい、人間っぽい感じでホロリとさせられますね。サンクレッドの返しも最高でした。
ミンフィリアもといリーンはおそらくヒロイン的な立ち位置になるよう設定されているのだとは思うのですが、些か他のメンバーのキャラが濃すぎるが故か、5.0時点では印象が薄いのが残念ですが、今後のエデン編、メインストーリーが進んでいけばまたキャラが確立されるのではないかと思います。
こうして得た仲間たちというのは最後まで冒険者の助けになってくれる訳です。これまでのDLCもとい追加ディスクのストーリーでは冒険者が助けになったことはあっても、その逆は殆どなく(それこそオルシュファンとか水晶公とかくらいなものです)。この様子というのが今作の最大の魅力かな~という気がしていて、仲間との友情とか、絆みたいなベタだけど熱いストーリーを作ってくれます。
それぞれがそれぞれに体験し、抱いた感情を元に世界を救うために協力してくれる。そもそも原初世界では自分たちは死んでしまうという未来が待っている訳なので、協力しなくてはならないというのも事実ではあるのですが、初めて暁の面々が一つになった、という印象を受けます。
今作ではフェイスシステムという擬似的なシングルモードのようなものが搭載されており、多くのダンジョンでは彼らを同行させることで本来のRPGらしいプレイも可能となっています。いつものように駆け抜けるのではなく、設定やダンジョンの風景を楽しむ意味でもこの機能の追加は非常に大きいです。
ドン・ヴァウスリーは作られし子、という宿命の中、終末の世界の中で破滅への道をしずしずと歩むように導こうとしていた。彼自身もある種の被害者と考えると、その顛末は少し切ないような気もします。
ランジートは長年ユールモア軍の軍人として罪喰いの戦いに参加してきていたわけです。その中で、ヴァウスリーの掲げる罪喰いとの共存に賛同し、ミンフィリアを懸念材料として捉えていることになります。彼らは本作では悪役らしい悪役として描かれていますが、ストーリーのボスとして上手く設定されていたように思います。
紅蓮終盤から登場し、漆黒における解説役も担っていました。後々説明される14人委員会のエメトセルク座を担うものとして、ゾディアークに飲み込まれた人々を救おうと頑張っている人、ということになります。
自ら説明役を買って出ながら、質問してくれれば答えるというスタイルはある種寂しさの裏返し。ラハブレアも霧散した今、数少なくなってしまったオリジナルとして更に孤独感を深めていたのではないでしょうか。そういった彼の抱えていた使命を考えると、その道を邪魔する光の戦士を排除しようとするのも納得がいき、彼もまた間違っていない。
こうなってくると厄災を止めたゾディアーク、そしてその復活を止めようとするハイデリンの構図となっているので、ハイデリンの主張が気になるところです。
Hades、は冥王という扱いですがそれにふさわしい姿でした。闇王というとDiabolosもその風貌がありますが、また一味違う雰囲気ですね。彼の真意はともかく、ヤ・シュトラを救ってくれたり、大罪喰い討伐の過程で助けてくれたりと、”根は真面目な彼”から、人情を感じる場面が多かったばかりに、世界を奪い返す、と無理して言ってるんじゃないかな~なんて感じたりもするのです。そこがまた辛く、そして心動かされる部分です。
ベテラン声優の高橋広樹氏による演技も含め、深みのある本当に良いキャラクターでした。
ヤミセンにはアルバートという名前が付いているわけで、キャラクターの一人として扱われるようになっています。一方で、今作が更に没入感・感動を高めてくれたのは、(新生)FF14という作品における中心がこのヒューランの戦士であり、その彼と同じ姿をしたアルバートが相棒として励まし続けてくれた、という点です。彼との対話の中で、ヒカセンことプレイヤーは第一世界を救い、自分の世界も守るという決意を固める訳です。
アシエンの真実を知り、第一世界を守りたかった、アルバートたち光の戦士の願いが原初世界の光の戦士に継がれるというストーリー。ただただ、感動。
まして彼らは100年も前から戦っていたのだということを踏まえると、この世界もまた長い戦いがあったのだと分かります。原初世界のヒカセンも、自分達と同じ運命をたどるのではないかと不安になりながらも、住人の力を得て次々と大罪喰いを討伐する様子に心動かされ、最後に力を貸してくれることに。
本作の語り部としての役割を果たしながら、最後までヒカセンに寄り添ってくれる、なんだかプレイヤーの立場でもある感じで不思議な気持ちにさせられます。これまでのヒカセンの戦闘にありがちな手を掲げるとなぜかハイデリンのパワーを顕現し、戦闘に勝利するみたいなこともなく、ラスボスと戦ってる感じしていいじゃないですか。
憎まれ役になりながら、冒険者を守り、どちらの世界も救おうとする姿は余りにも勇敢で英雄的すぎ、感動を誘います。
彼が去った後、小悪党に力を盗まれたと笑い話にしてほしいと言います。これは結局世界が統合の危機から救われ、英雄には笑顔で居て欲しいという願いの裏返しでもある訳です。泣けます。何が彼をここまで動かしたのか、は深く分かりませんが、アラグ文明の使命のような部分にも繋がっているのではと邪推していたりしますが、果たして。
そして最後の彼の力を振り絞ってメインテーマ"Shadowbringers"をバックに、各世界からヒカセンことパーティーメンバーを召喚する訳です。フレンドとも話していましたが、残った7世界(本当はそんなに残ってないはず、ですが…)から呼び出されたヒカセンと、FF14のシステムとしての8人パーティーがマッチしているという大仕掛けなわけです。MMORPGのFF14だったからこそ作れた話であり、各召喚紋にPTメンバーが収まるわけですから、感動しない訳はないです。本当に最終バトルの演出は痺れました。
この街はなかなかに異質で、まずフィールドというだけあって構造物がでかい。住人もでかい。14分割される前だから、でしょうか?(嘘)そして何か不思議な念のようなもので会話をする。そしてしばらくすると、己を知る人間に出会い、ドキッとするわけです。
”あの人”の魂と同じ色を持つヒカセンの始祖こそ14人委員会で最初に離脱した一人なのではないか、とか色々想像させられる話をしてくれます。こういうヒュトロダエウスのような、何か怪しい語り部とか、過去を知る偉人ってゾクゾクしますよね。そして色々と見抜いた話し方も今後の展開への妄想を膨らませてくれるわけです。
実際にヒカセンがエメトセルクにとって重要な間柄の友人であることは間違いがなく。最終戦闘においても一瞬空目するのです。何か彼にとって後悔があったのか、彼/彼女を取り戻したいというのも目的のひとつなのでは?とか思ってしまいますね。必死になって世界統合しようと尽力する様も頷け、”あの人”とは何か気になります。
最後の最後に訪れる少しダークだが壮大なMAP、そして散りばめられた重要な語り部たちという、物語にプレイヤーを引き込む要素が揃ったエリアデザインも、非常に良かったですね。
クリスタリウムの住人が水晶公の事実を受け入れられるか、冒険者が100年前のヒカセンと同じ運命をもたらすのではないかという疑念に打ち勝てるかも重要で、冒険者が悩むわけですが…
彼らは水晶公と冒険者一行がこの時代の人間でもなく、目的もよく明かしていないにも関わらず、それを受け入れてくれる訳です。彼らが隠すまでもなく、住人が気づいていたというのもまた、感動的ですよね。
こういう人情に溢れた、絆って心動かされるじゃないですか。願わくばもっと人が居てほしいとか思いますけど、それはPS4の限界もあるのでしょうし致し方ないのかもしれませんが。
ストーリーが分岐するわけではないものの、多くの会話で選択肢を選べるようになっており、お話を作っている感を味わえる。シリアスなものから、ネタなものまで仕込まれており、反応を楽しむことができ、没入感をアップしてくれるというのは大きいです。特にグ・ラハ・ティアとの会話はリプレイしてみるといいかもしれません。
決して否定してるわけではないですが、何度も泣かされた紅蓮のリベレーターでさえも、主人公はいわば同盟軍の鉄砲玉的な立ち位置で、助ける側のサブ的な立ち位置でした。そのため、もちろん主人公は主人公なのですが、あくまでメインはリセ、そしてアラミゴのストーリー。没入感が無くはないけれど、どうしてもストーリーが説明的で、RPG?という印象を受けます。この関係が逆転したのは大きいです。
最終戦後、冒険者一行は浜に打ち上げられるのですが、案の定彼が居ない訳です。
一緒に疾走すると思われていた彼の疲れ切った表情や、
優しいリーンが慌てている様子など以前よりパーツが動いているよう感じがします。
そしてなにより最終のエメトセルクでしょうか。
消え去る直前のこのなんとも言えない表情、すごくないですか。こういったシステム面の改善もまた、一つ大きなポイントかと思います。
少しがっかりした顔をしているのは果たして…
この冒険録がグ・ラハ・ティアの憧れであり、200年後の原初世界でも語られる英雄譚という設定になっています。そう考えるとまたプレイヤーを深い感動へ誘います。
とすると、漆黒はこれまでのFF14の上に成り立つ、集大成でもあるといえるわけです。
新生は根性版というレガシーの清算に追われながらも、第七霊災の後の様子を各地をめぐることで確認していくストーリーでした。ここで本格的にアシエンという存在が意識されるようになる感じです。根性版のエンディングは筒みたいな謎の兵器との戦いだった訳で、正直アシエンどころではなかった。今となってエンディングを見てみると、今作のストーリーへの伏線も張ってあったりして面白いですね。
そして蒼天のイシュガルド。初の追加ディスクとなり、これまたレガシーでは門前払いを食らっていたエリアが解放される訳です。いつでも株を上げ続ける、オルシュファンとの出会いが蒼天で、初めて出会った、ただただイイ人。彼の存在はPVにもなり、後々の選択肢にもなるようにプレイヤーに強い影響を与えることになります。英雄には笑顔が似合う、いい思い出じゃないですか。
帝国とアラミゴ、というのは旧FF14からも用意されていた大きな伏線で、これもまた熱いストーリーでした。帝国による植民地支配からの開放、そしてゼノスとの出会いというビッグイベントがありました。彼らは今後も大きな役割を担うことになるのだと思いますが、ゼノスが冒険者を友と呼ぶのが少し気になるところではあります。
グ・ラハ・ティアは冒険者の記録を読み漁ることで、タイムラインを確認し召喚するべきタイミングを見出すことになります。おそらくその過程で強いあこがれを抱くようになったのかとも思いますが、普段何気なく考えているアイテムにこういう価値をつけてきたのものまた、粋ですよね。
追加ディスク(この言い方は古いですかね?)も3枚目となっていて、先行する2枚はどちらかというと根性版だの呼ばれている旧FF14のストーリーラインや伏線を回収するためのもの、という感じで内容は良いのですが、どこか物足りない。ヒカセンの根性頼りな戦闘、どこに行ってもモノ拾いだの、スープ配りだののお使いをものすごい量させられるなどなど…今となってみるとRPG感が弱かったのかなと思ったりはします。
それが漆黒となって、これまで殆どボカされていた部分を説明する分、新しく、思い切ったストーリー(制作サイドではもう長い間プロットができていたのかもしれませんが)や演出が可能になったのか、全体的に凄く完成度の高い内容になっています。イライラするお使いもないですしね。
ということで、遊んだ感想を盛大なネタバレとともに少しだけ思い出を書いておきます。
パーティーメンバー集めから始まるストーリー
紅蓮のリベレーター終盤からアシエンの香りがしていたため本作も、”ああ、またいつもの帝国とのバトルモノね!”
という感じで、序盤はテンションが上がらず。毒ガス兵器・黒薔薇も確かにヤバそうな雰囲気はありましたが、あっさり異世界に飛ばされ、世界を救う話になるとは。
それまでPVやLaunch Trailerでチラチラとお目にかかっていたクリスタルタワー風の街に到着するも間もなく、水晶公なる人間から各地を見てきて欲しいと言われ、ここから仲間探しの旅が始まる感じになります。この展開がまた王道のファンタジーRPG、ヒーローものっぽくていいのです。
アリゼーが行動をともにしていたテスリーンが罪喰いになるシーン、なかなか衝撃的です。 |
まず探しに出かけるのはアルフィノとアリゼーな訳ですが、私は最後まで一緒にいたアリゼーにまず会いに行くことに。この世界の暗さ、闇の深さがわかる展開になっています。そしてアリゼーもアリゼーで己を鍛えて成長をし、この事実を受けれプレイヤーパーティーに仲間入りする訳です。
アルフィノはすっかり大人の対応ができるように成長していることが分かる感じ。 |
ユールモアとその城下町も格差を描きながら、それを治めるヴァウスリーという存在を上手く表現していました。明らかにヤバい街、というのがすぐに伝わってきて、その町民がなにやら怪しい食料を口にしているという点も気になってくるわけです。スペース・ケーキを彷彿とさせる怪しさがあり、一体どうなるのだろうと気になるところでアルフィノも旅路に加わります。
ウリエンジェは今作ボケキャラ...なのでしょうか? |
ウリエンジェが妖精さんと連携していると聞き、そのギャップに笑ってしまいましたが彼には彼なりの変化があって、第一世界、そして原初世界を助けようという覚悟が見える訳です。また、水晶公から真実を聞いている唯一の存在でもあります。要所要所で冒険者に助け舟を出し、そして支えとなる姿にこれまでとは違う、怪しい占い師だけでない魅力が加わっています。特に終盤にかけて強く感情を出している姿というのは、ムーンブリダとの出会い、別れの辺り以来で非常に新鮮で、心揺さぶられるものがあります。
- おかえり。 |
サンクレッド、そしてミンフィリアは深い絆があり、冒険者にとっても貴重なレガシーキャラということもあり、思い入れが深いことになります。彼らの描かれ方も非常に面白かったですね。サンクレッドはユールモアの将軍ランジートとバトルする訳です。彼もまた守るべき国がある、サンクレッドもミンフィリアを守りたい、という信念の戦い。熱いじゃないですか。
伝えたいんです。 大好きだと……ありがとうと……。 私のこの、命ぜんぶで。 |
終盤で少女はリーンとしてミンフィリアと別れる訳ですが、それをどう打ち明けるべきか葛藤するシーンが生々しい、人間っぽい感じでホロリとさせられますね。サンクレッドの返しも最高でした。
おそらく彼女のためのストーリーとなるであろう今後のパッチも目が話せないですね |
ミンフィリアもといリーンはおそらくヒロイン的な立ち位置になるよう設定されているのだとは思うのですが、些か他のメンバーのキャラが濃すぎるが故か、5.0時点では印象が薄いのが残念ですが、今後のエデン編、メインストーリーが進んでいけばまたキャラが確立されるのではないかと思います。
プレイヤーが勝手に敵地に乗り込もうとするシーン、勝手に行くんじゃねーと言わんばかりに全員集合してくれる |
こうして得た仲間たちというのは最後まで冒険者の助けになってくれる訳です。これまでのDLCもとい追加ディスクのストーリーでは冒険者が助けになったことはあっても、その逆は殆どなく(それこそオルシュファンとか水晶公とかくらいなものです)。この様子というのが今作の最大の魅力かな~という気がしていて、仲間との友情とか、絆みたいなベタだけど熱いストーリーを作ってくれます。
ヤ・シュトラの想いとは |
それぞれがそれぞれに体験し、抱いた感情を元に世界を救うために協力してくれる。そもそも原初世界では自分たちは死んでしまうという未来が待っている訳なので、協力しなくてはならないというのも事実ではあるのですが、初めて暁の面々が一つになった、という印象を受けます。
ラストバトルシーンにて。 |
今作ではフェイスシステムという擬似的なシングルモードのようなものが搭載されており、多くのダンジョンでは彼らを同行させることで本来のRPGらしいプレイも可能となっています。いつものように駆け抜けるのではなく、設定やダンジョンの風景を楽しむ意味でもこの機能の追加は非常に大きいです。
悪役
本当に個性豊かで、そして信念を持った人たちでした。変身前とのギャップ…まさにライザップな訳ですが、何をバリバリと食べて太ったのかと言うと… |
ドン・ヴァウスリーは作られし子、という宿命の中、終末の世界の中で破滅への道をしずしずと歩むように導こうとしていた。彼自身もある種の被害者と考えると、その顛末は少し切ないような気もします。
彼もまた、信念に生きた人でした |
ランジートは長年ユールモア軍の軍人として罪喰いの戦いに参加してきていたわけです。その中で、ヴァウスリーの掲げる罪喰いとの共存に賛同し、ミンフィリアを懸念材料として捉えていることになります。彼らは本作では悪役らしい悪役として描かれていますが、ストーリーのボスとして上手く設定されていたように思います。
エメトセルク、そしてハーデス
独特の口ぶり含め、FF14の中でも人気のキャラクターになるのは間違いなく。彼の抱えるものとは |
紅蓮終盤から登場し、漆黒における解説役も担っていました。後々説明される14人委員会のエメトセルク座を担うものとして、ゾディアークに飲み込まれた人々を救おうと頑張っている人、ということになります。
きっとまだ、諦めていないんだ。 あれに何かしらの命を捧げ、同胞を取り戻すことを。 というか……根が真面目な彼のことだ、 厭だ厭だと言いながら、背負ったものを、 誰にも託せなくなっているんだろう。 ……残酷な役回りだよ、本当にね。 |
自ら説明役を買って出ながら、質問してくれれば答えるというスタイルはある種寂しさの裏返し。ラハブレアも霧散した今、数少なくなってしまったオリジナルとして更に孤独感を深めていたのではないでしょうか。そういった彼の抱えていた使命を考えると、その道を邪魔する光の戦士を排除しようとするのも納得がいき、彼もまた間違っていない。
ドロップキック誕生の日、世界は… |
こうなってくると厄災を止めたゾディアーク、そしてその復活を止めようとするハイデリンの構図となっているので、ハイデリンの主張が気になるところです。
我は真なる人にして、エメトセルクの座に就きし者…… 己が名を、ハーデス! 冥きに眠る同胞がため、世界を奪い返す者なり! |
Hades、は冥王という扱いですがそれにふさわしい姿でした。闇王というとDiabolosもその風貌がありますが、また一味違う雰囲気ですね。彼の真意はともかく、ヤ・シュトラを救ってくれたり、大罪喰い討伐の過程で助けてくれたりと、”根は真面目な彼”から、人情を感じる場面が多かったばかりに、世界を奪い返す、と無理して言ってるんじゃないかな~なんて感じたりもするのです。そこがまた辛く、そして心動かされる部分です。
ベテラン声優の高橋広樹氏による演技も含め、深みのある本当に良いキャラクターでした。
アルバート
家に帰るといる人。彼と会話するために、今作の宿屋には重要な役割がありました。第一世界のヒカセン、ヤミセン、そしてアルバート |
ヤミセンにはアルバートという名前が付いているわけで、キャラクターの一人として扱われるようになっています。一方で、今作が更に没入感・感動を高めてくれたのは、(新生)FF14という作品における中心がこのヒューランの戦士であり、その彼と同じ姿をしたアルバートが相棒として励まし続けてくれた、という点です。彼との対話の中で、ヒカセンことプレイヤーは第一世界を救い、自分の世界も守るという決意を固める訳です。
ブラビューラを託すアルバート、さしづめブラッディ・ブラビューラだろうか |
アシエンの真実を知り、第一世界を守りたかった、アルバートたち光の戦士の願いが原初世界の光の戦士に継がれるというストーリー。ただただ、感動。
It's never goodbye. |
まして彼らは100年も前から戦っていたのだということを踏まえると、この世界もまた長い戦いがあったのだと分かります。原初世界のヒカセンも、自分達と同じ運命をたどるのではないかと不安になりながらも、住人の力を得て次々と大罪喰いを討伐する様子に心動かされ、最後に力を貸してくれることに。
ブラビューラ・アートマよりもピカピカしている |
本作の語り部としての役割を果たしながら、最後までヒカセンに寄り添ってくれる、なんだかプレイヤーの立場でもある感じで不思議な気持ちにさせられます。これまでのヒカセンの戦闘にありがちな手を掲げるとなぜかハイデリンのパワーを顕現し、戦闘に勝利するみたいなこともなく、ラスボスと戦ってる感じしていいじゃないですか。
水晶公こと、グ・ラハ・ティア
ヒカセンを第一世界に呼び出した張本人。メインヒロイン枠。クリスタルタワーを操作できるアラグの血と、その役割とは一体何のか、は気になるところです。光の戦士が溜め込んだ大罪喰いの光を持ち逃げし、汚れ役になろうとする |
憎まれ役になりながら、冒険者を守り、どちらの世界も救おうとする姿は余りにも勇敢で英雄的すぎ、感動を誘います。
……信じて この世界を救おうとしてくれてありがとう さようなら オレのいちばん憧れの英雄 |
彼が去った後、小悪党に力を盗まれたと笑い話にしてほしいと言います。これは結局世界が統合の危機から救われ、英雄には笑顔で居て欲しいという願いの裏返しでもある訳です。泣けます。何が彼をここまで動かしたのか、は深く分かりませんが、アラグ文明の使命のような部分にも繋がっているのではと邪推していたりしますが、果たして。
ハーデスとのラストバトル |
そして最後の彼の力を振り絞ってメインテーマ"Shadowbringers"をバックに、各世界からヒカセンことパーティーメンバーを召喚する訳です。フレンドとも話していましたが、残った7世界(本当はそんなに残ってないはず、ですが…)から呼び出されたヒカセンと、FF14のシステムとしての8人パーティーがマッチしているという大仕掛けなわけです。MMORPGのFF14だったからこそ作れた話であり、各召喚紋にPTメンバーが収まるわけですから、感動しない訳はないです。本当に最終バトルの演出は痺れました。
アーモロートと古代人
最後のエリアであるアーモロート。ザナルカンドオマージュか、ミッドガルか。彼がこの街を再現した理由は… |
この街はなかなかに異質で、まずフィールドというだけあって構造物がでかい。住人もでかい。14分割される前だから、でしょうか?(嘘)そして何か不思議な念のようなもので会話をする。そしてしばらくすると、己を知る人間に出会い、ドキッとするわけです。
”あの人”の魂と同じ色を持つヒカセンの始祖こそ14人委員会で最初に離脱した一人なのではないか、とか色々想像させられる話をしてくれます。こういうヒュトロダエウスのような、何か怪しい語り部とか、過去を知る偉人ってゾクゾクしますよね。そして色々と見抜いた話し方も今後の展開への妄想を膨らませてくれるわけです。
終盤冒険者に話しかけてくる古代人、ヒュトロダエウス |
実際にヒカセンがエメトセルクにとって重要な間柄の友人であることは間違いがなく。最終戦闘においても一瞬空目するのです。何か彼にとって後悔があったのか、彼/彼女を取り戻したいというのも目的のひとつなのでは?とか思ってしまいますね。必死になって世界統合しようと尽力する様も頷け、”あの人”とは何か気になります。
最後の最後に訪れる少しダークだが壮大なMAP、そして散りばめられた重要な語り部たちという、物語にプレイヤーを引き込む要素が揃ったエリアデザインも、非常に良かったですね。
街の住人
今作、住人がいい味を出していましたね。RPGって普通遊んでたら街の人に話しかけるじゃないですか。それができるんです。そして彼らが助けになってくれる。こんなにも感動することはないです。序盤で出会うチャイ夫妻 実はすごい人だった |
各所から人が集まり、冒険者のために巨大タロース(Malphiteではない)を作る助けをしてくれる |
最終的に婦人だけの絵になっているような気がするけれど、絵は完成していますね |
クリスタリウムの住人が水晶公の事実を受け入れられるか、冒険者が100年前のヒカセンと同じ運命をもたらすのではないかという疑念に打ち勝てるかも重要で、冒険者が悩むわけですが…
彼らは水晶公と冒険者一行がこの時代の人間でもなく、目的もよく明かしていないにも関わらず、それを受け入れてくれる訳です。彼らが隠すまでもなく、住人が気づいていたというのもまた、感動的ですよね。
帰還する冒険者を待ち受けてくれている、クリスタリウムの住人たち |
こういう人情に溢れた、絆って心動かされるじゃないですか。願わくばもっと人が居てほしいとか思いますけど、それはPS4の限界もあるのでしょうし致し方ないのかもしれませんが。
自キャラも、イイ
今回メインキャラクターがちゃんと主人公らしく感じられました。ストーリーが分岐するわけではないものの、多くの会話で選択肢を選べるようになっており、お話を作っている感を味わえる。シリアスなものから、ネタなものまで仕込まれており、反応を楽しむことができ、没入感をアップしてくれるというのは大きいです。特にグ・ラハ・ティアとの会話はリプレイしてみるといいかもしれません。
決して否定してるわけではないですが、何度も泣かされた紅蓮のリベレーターでさえも、主人公はいわば同盟軍の鉄砲玉的な立ち位置で、助ける側のサブ的な立ち位置でした。そのため、もちろん主人公は主人公なのですが、あくまでメインはリセ、そしてアラミゴのストーリー。没入感が無くはないけれど、どうしてもストーリーが説明的で、RPG?という印象を受けます。この関係が逆転したのは大きいです。
全員の表情筋が鍛えられてる
紅蓮の終盤から?やたらとキャラクターの表情が豊かになったなと思うのです。最終戦後、冒険者一行は浜に打ち上げられるのですが、案の定彼が居ない訳です。
一緒に疾走すると思われていた彼の疲れ切った表情や、
優しいリーンが慌てている様子など以前よりパーツが動いているよう感じがします。
そしてなにより最終のエメトセルクでしょうか。
私たちは……確かに生きていたんだ。 |
消え去る直前のこのなんとも言えない表情、すごくないですか。こういったシステム面の改善もまた、一つ大きなポイントかと思います。
少しがっかりした顔をしているのは果たして…
タイムトラベルモノとして
宿屋にある愛用の紀行録。この紀行録は宿屋でのみ開くことができる |
この冒険録がグ・ラハ・ティアの憧れであり、200年後の原初世界でも語られる英雄譚という設定になっています。そう考えるとまたプレイヤーを深い感動へ誘います。
この男は… |
とすると、漆黒はこれまでのFF14の上に成り立つ、集大成でもあるといえるわけです。
新生は根性版というレガシーの清算に追われながらも、第七霊災の後の様子を各地をめぐることで確認していくストーリーでした。ここで本格的にアシエンという存在が意識されるようになる感じです。根性版のエンディングは筒みたいな謎の兵器との戦いだった訳で、正直アシエンどころではなかった。今となってエンディングを見てみると、今作のストーリーへの伏線も張ってあったりして面白いですね。
そして蒼天のイシュガルド。初の追加ディスクとなり、これまたレガシーでは門前払いを食らっていたエリアが解放される訳です。いつでも株を上げ続ける、オルシュファンとの出会いが蒼天で、初めて出会った、ただただイイ人。彼の存在はPVにもなり、後々の選択肢にもなるようにプレイヤーに強い影響を与えることになります。英雄には笑顔が似合う、いい思い出じゃないですか。
帝国とアラミゴ、というのは旧FF14からも用意されていた大きな伏線で、これもまた熱いストーリーでした。帝国による植民地支配からの開放、そしてゼノスとの出会いというビッグイベントがありました。彼らは今後も大きな役割を担うことになるのだと思いますが、ゼノスが冒険者を友と呼ぶのが少し気になるところではあります。
星見の間は本で埋め尽くされている。この本の量はDLC何個分だろうか |
ともかく、不思議な声色でしたね。 まるで、大きな絶望を前にしても、勇気を失わない強さというか、 そう……それはこの街に、どこか通じるところがありました。 人類最後の反抗都市であろうとしたクリスタリウム、 その歴代市民たちの心意気に……。 |
BGMによる演出
曲がいい、サウンドがいい、というのはFFシリーズに共通するポイントです。新曲も素晴らしいですが、それにしてもバイデザインの使い勝手のよさよ… |
今作も祖堅氏のレパートリーの広さが顕著に出ていたと思います。紅蓮も相当だったとは思いますが、RPGらしい曲というのを数多く用意してくれていたおかげで、ストーリーの要所要所で深い印象を残してくれています。アーモロートのメロウな曲調からメインテーマのロックな雰囲気まで。どれも素晴らしいです。今回もサントラは購入不可避なようです。
イイ、DLCでした
いやはや、正直飽きてしまっていたFF14にここまでハマらせられるとは。紅蓮4.0で遊び終えて、そのまま放置し、今回復帰したことになりますが、コンテンツも増えて色々と遊べそうです。FF14を始めたいけれど、MMOはな~という人や、オンラインなのにFFなの?というシングルプレイが好きな人でも多くの部分はソロで進められるので、是非遊んで欲しいな~と思うわけです。このDLCがあれば、FF14はオンラインなんで、まぁとっつきづらいですよね~ということもなく、そこそこ快適に遊べるのではないかと思います。
すっかりハマったフレンドもテンション上がってイラストを描いてくれました。ギガテンダーは今作からのオリジナルキャラですが、いい味しています。ミニオンの獲得が難しいのがネックかな。漆黒ビランズ終わった 4千円そこそこでここまで英雄にさしてくれる時代ありがたいよ本当に— がっため (@gattame) 2019年8月14日
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